◆予算管理能力の欠如
○バラマキ政策による歳出額の膨張
自民党政権時代には、当初予算は80兆円台で推移していたが、民主党政権になってから、90兆円台まで拡大してしまった。
○国債発行額
国債発行に44兆円の枠を設定したが、守れないことがわかると、粉飾工作を実施(補正予算への前倒し計上、交付国債への「飛ばし」)。
民主党政権になってから、当初予算の段階で国債発行額が税収を上回るという異常事態が継続している。(平成22〜24年度)
○予算編成プロセス
スケジュール管理ができておらず、予算編成の準備が間に合っていない。
昨年度は、震災対応の補正予算が大幅に遅れたほか、本予算の概算要求も1ヶ月後ろ倒しとなった。今年度も、未だに中期財政フレームの策定が行われておらず、来年度予算へ向けた概算要求も形骸化して、国民生活のための実のある予算編成が行われないおそれがある。
◆情報管理能力の欠如
○尖閣諸島中国漁船衝突事件ビデオの漏えい
事件現場を撮影したビデオの公開を民主党政権が拒んでいたが、海上保安官によって動画投稿サイト(YouTube)に流出した。映像は、海上保安庁のサーバの共有フォルダに保存されており、海上保安庁職員なら誰でも見られる状態であった。
○GDP速報値の漏えい
直嶋経済産業大臣が、GDP速報値を会議の冒頭挨拶で正式発表より前に漏らしてしまった。GDP速報値は、株価などにも影響を与える重要な数値であり、発表時間より前に漏らすことはあり得ないが、大臣は「公表の時間が決まっているということを、私自身がよく理解していなかった」と無知をさらけ出した。
○農水省機密情報の漏えい
筒井農水副大臣が主導する対中輸出促進事業に関する文書が外部に流出した。文書は、事業を手掛けている一般社団法人「農林水産物等中国輸出促進協議会」の代表理事 (民主党衆院議員秘書)に渡っており、最も機密性が高い「機密性3」の文書も含まれていた。
○原子力規制委員会人事の漏えい
原子力規制委員会の委員長・委員の人事案が事前にメディアで報道された。政権交代前、民主党が強く主張して、事前報道された人事案は国会への提示を認めないというルールが形成されたが、民主党政権は自らそのルールを無視する形となった。
◆外交能力の欠如
民主党政権は、国の基本的な外交スタンスが定まらないまま、拙劣な外交を繰り返した。その結果、最も重要な日米の信頼関係を大きく損なうとともに、周辺諸国とのトラブルも頻発させた。
唯一、一貫した外交姿勢は、「言うべきことを言わず、言うべきでないことを言う」というものであり、これが全方位に適用されている。その結果、これまで国益に与えた損失は計り知れない。
○日米関係
・インド洋での補給活動中止(H22.1)
対テロ戦争における重要な抑止力であり、我が国の国際的地位向上にも大きく資する活動であったインド洋での燃料補給活動を中止。
・普天間問題の迷走(〜H22.5)
それまでの経緯を無視して県外・国外移設を主張し、散々迷走した挙句、元の辺野古案に戻るという大失態を演じ、沖縄の信頼や米国の信頼を大きく損なった。
・オバマ大統領放置(H21.11)
鳩山総理は、来日したオバマ大統領を日本に残したまま、シンガポールのAPEC首脳会議に出発。来日中の外国首脳を残して総理が海外に行くのは、極めて異例で失礼な対応である。
・野田訪米時に仕返し(H24.5)
野田総理が訪米し、オバマ大統領と会談したが、オバマ大統領はそのままアフガンを電撃訪問。オバマ大統領が訪日時に置き去りにされたことに対する仕返しをされた形になった。
・TPPをめぐる発表の齟齬(H23.11)
TPP協議入りをめぐり、米側は「全ての物品・サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」と野田総理が発言したと発表。日本側はそれを否定したが、訂正は求めないという不可解な対応。
・オスプレイ配備に見る弱腰外交(H24.7)
国民から安全性を不安視されているオスプレイの配備をめぐり、「日本側に配備を拒否する権限はない」として米側に対し何も言えず。一方で森本防衛大臣は「地元を説得できる自信はない」とも発言。民主党政権に当事者能力がないということを自ら示した。
また、先行きの展望のないまま岩国基地への陸揚げを行い、問題の火の手を拡大させた。
○日中関係
・尖閣沖漁船衝突事件への対応法に則って粛々と対処すべきところを、中国側の脅迫や報復措置に屈して、船長を釈放、不起訴としてしまった。さらには、釈放の責任を地検に押し付けた。また、証拠となるビデオの公開を拒否し、映像がインターネットに流出するという不祥事を起こした。
あらゆる面で将来に禍根を残し、我が国の国益に甚大な影響を与える、歴史に残る外交失策である。
・立ち話で通訳なしの「首脳会談」(H22.10)
アジア欧州会議(ASEM)の場で、菅総理と温家宝首相が立ち話で「首脳会談」を行った。中国側には通訳がついていたが、日本側には通訳はなく、明らかに日本側に不利な形となった。
・丹羽中国大使の不適切発言
丹羽大使が、東京都の尖閣購入は「日中関係に重大な危機をもたらす」と発言。国益を損なう重大発言であるにも関わらず、更迭しなかった。
・尖閣諸島国有化の迷走
東京都が尖閣諸島購入を表明した直後、政府が国有化を検討するとしたものの、すぐにトーンダウン。後日再び国有化を表明するなど、方針が迷走した。
・領海侵犯の頻発
中国の漁船や漁業監視船による領海への接近・侵犯が頻発しているにも関わらず、形式的な抗議を繰り返すのみで、何ら実効的な対策を取らなかった。
○日韓関係
・竹島の不法占拠
韓国国会議員の訪問、海洋基地の建設など、韓国が着々と不法占拠を強化する一方、民主党政権は有効な措置を取れていない。自民党政権時代には明確に表現していた「不法占拠」という言葉さえ言えない弱腰の態度は、現状を黙認しているに等しい。
・慰安婦問題
ソウルの日本大使館前への慰安婦像設置など、韓国側が攻勢を強めるのに対して、野田総理は弱腰の対応を続け、押され続けるばかりであった。また、日韓首脳会談で「知恵を絞っていきたい」と発言し、日本が譲歩するかのような誤解を与えてしまい、韓国側をさらに勢いづかせる結果となった。
・不用意な譲歩
民主党政権は、朝鮮王朝儀軌の引渡し、通貨スワップ協定など、相手を一方的に利する不用意な譲歩を重ねた。通常の外交であれば、相手を利する場合は、引き換えにこちらも利益を得るのが当然であるが、そうした発想が欠けていた。
○日ロ関係
民主党政権は、北方領土へのロシア大統領・閣僚の相次ぐ上陸を黙認し、軍備・空港等の強化に対しても打つ手がないなど、弱腰の外交姿勢を続けた。これによって、ロシア側の北方領土の不法占拠を強化し、返還を遠ざけてしまった。
○北朝鮮問題
そもそも民主党は、北朝鮮関係団体と不適切な関係(献金・秘書派遣等)にあり、北朝鮮問題に取り組む資格がなかった。
実際に、民主党政権になってから、拉致問題は全く進展しなかった。
一方で、延坪島砲撃事件やミサイル発射への稚拙な対応により、危機管理体制のぜい弱さをさらけ出した。
◆皇室の軽視
民主党政権は、皇室行事での居眠り、野次、欠席など、皇室への非礼が相次いでいる。また、皇室日程や慣例を無視し、皇室を政治的に利用して恥じない。これだけ皇室軽視の事例が続出するのは、個々の議員の問題ではなく、
民主党としての体質の問題であるとしか考えられない。
○菅副総理が居眠り(H21.11)
国立劇場で開催された、「天皇陛下ご在位20年記念式典」で、式典実行委員会副委員長だった菅副総理が居眠りをしていた。
○中国副主席との特例会見(H21.12)
天皇陛下と外国要人との会見は1カ月前までに申請するという慣例を無視して、習近平副主席との会見をセット。小沢幹事長が鳩山総理に要請したとされる。同時期に小沢幹事長は民主党議員 140 人を引き連れて訪中し、胡錦濤国家主席と会談した。
○ご静養中に認証式を強行
菅総理の内閣改造に伴う認証式を、天皇陛下の葉山御用邸でのご静養中に強行。陛下はご静養を一時中断して皇居に戻られ、お身体に負担をかけることになった。
○中井議員が野次(H22.11)
中井前国家公安委員長が、国会で行われた議会開設120年記念式典で、秋篠宮ご夫妻に「早く座れよ」と野次を飛ばした。
○仙谷官房長官が居眠り(H23.1)
皇居で行われた「講書始の儀」で仙谷官房長官が居眠りをしていた。
○天皇陛下を携帯で撮影(H23.9)
民主党会派(当時)の平山誠議員が、国会の開会式に出席する天皇陛下を携帯電話で撮影した。
○宮中晩餐会の欠席(H23.11)
一川防衛大臣は、ブータン国王を招いた宮中晩餐会を欠席し、民主党議員の政治資金パーティーに出席。パーティーの場で、「こちらの方が大事だと思って来た」と発言した。
また、山岡国家公安委員長、川端総務大臣、細野環境大臣も同晩餐会に欠席。蓮舫行政刷新担当大臣は、同晩餐会前のカクテルパーティー中に携帯電話を使っていた。
○天皇陛下のご入退場時に不起立(H24.3)
東日本大震災一周年追悼式において、天皇陛下のご入退場時に「着席しているように」という場内アナウンスを流した。国のトップの入退場時に起立しないのは、世界の常識に反する。
また、この式典では、世界最多の 200 億円の義援金を拠出した台湾代表を、2階席に座らせ、指名献花にも参加させないという非礼もあった。
◆その他
○エネルギー政策
民主党政権は、各総理の思いつきで、行き当たりばったりのエネルギー政策を展開している。その結果、総理が変われば以前の方針はうやむやになってしまい、政策の一貫性を著しく欠いている。
【具体例】
・CO2 の 25%削減
鳩山総理は、国連気候変動サミットの場で、CO2 の 25%削減を突如国際公約化した。しかし、実現のための方策は全く決まっていないままの見切り発車であった。当時の直嶋経産大臣は、「(実現のための方策は)まだ具体的にまだ提示できるようなものにはなっていない」と明言した。
・太陽光パネル 1000 万戸
菅総理は、G8の場で、太陽光パネルを 1000 万戸に設置すると突如国際公約を行った。担当大臣との調整もなく、実現の見込みも全くないままであった。当時の海江田経産大臣は、「報道で知った。聞いていない。」と絶句した。
○生活保護問題
H21.12 に「速やかな保護決定」を求める通知を発出。以後、受給者の際限ない増加に歯止めがかからなくなってしまった。
○JAL再生
JAL再生支援をめぐっては、航空政策不在の、不公平・不透明な企業再生が行われた。
まず、中小企業を支援するはずの企業再生支援機構に、真っ先にJALを支援させるという強引なやり方が問題である。さらに、100%減資という株主の犠牲、5,200 億円の債権放棄という債権者の犠牲のもと、3,500 億円の資金投入という過度な優遇を行った。健全に運営を行っているANAと比較すると、潰れた会社の方が得をするという不公平がまかり通っている。
こればかりか、不透明な第三者割当増資で、京セラ、大和証券ら8社が、再上場の際に濡れ手で粟のキャピタルゲインを得られる仕組みになっており、民主党が特定企業に利益供与を行っているに等しい。